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モンスターキングダム・ジュエルサモナー  PDF プリント メール
2007/11/30 金曜日 19:20:44 JST
メーカー・出版社: SCE
メーカー・出版社公式サイト: http://www.jp.playstation.com/scej/title/js/
ジャンル: ロールプレイング
『女神転生』シリーズなどの岡田耕始を中心とした「ガイア」によるPSP向け初タイトル。モンスターを捕獲・育成して戦うRPG。UMD仕様のPSPにしてはデータの読み込み時間がほとんど気にならないことや、BGMに携わった豪華サウンドクリエイターも話題に。

プレイヤーレビュー

プレイヤー評価の平均: 1 メンバー

平均
3.4
操作性
4.0
映像
4.0
音楽
4.0
独創性
2.0
満足度
3.0
 

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竜胆
手堅くまとまってはいるが…, 2007/11/30 金曜日 19:20:44 JST

レビュアー: 竜胆   -  レビュアーの全てのレビューを見る  - トップ 10 レビュアー

平均
3.4
操作性
4.0
映像
4.0
音楽
4.0
独創性
2.0
満足度
3.0
『真・女神転生』シリーズなどを手がけた岡田耕始氏が携わったPSP用のオリジナルタイトル『モンスターキングダム・ジュエルサモナー』。とにかく移植や続編モノが多いPSPですから、大作オリジナルタイトルということで発売前から期待していた作品でした。さてその感想ですが…。

ゲームのシステム
ゲームはモンスターを捕獲し、育成し、召喚(ゲーム内用語では「晶喚」)して戦わせるシステムを採っています。このあたりのゲームの幹となる部分は、ほぼ『ポケモン』と言ってしまっていいものだと思います。捕獲したモンスターは各種の錬成を行うことで、パラメータを強化したり別モンスターに進化させたりすることが可能です。このゲーム独自の作りとしては、この錬成に現実の時間の経過を必要とするというところ。大変な錬成であるほど時間がかかるので、寝る直前に錬成所にお願いして、起きたときに確認してみるといったような流れになります。さっさと先へ進めたいプレイヤーには面倒に感じてしまう部分だと思いますが、モンスターを捕獲・収集して育成するこのタイトルに限っては、そういった作業自体が全て時間のかかるものですから、実際の時間経過を必要としても足を引っ張るようなシステムではないと思います。

各キャラクターはバストアップ画像とボイスつき
登場する主要なキャラクターは(それ以外に街の住人なども:後述)バストアップ画像が用意されていて、会話中の感情の変化によってグラフィックも相応のものに置き換わります。また主要イベントのほとんどにボイスが付いているので、感情ごとの画像と相俟って賑やかな雰囲気は受けるものになっています。

ただこれはこの作品の最も目立つ短所のひとつにもなっているのですが、各主要キャラクターの性格付けがあまりに典型的でありきたりなものなので、せっかくのグラフィックやボイスも宝の持ち腐れになってしまっています。ゲーム制作時のキャラクターを作り上げる過程で、たとえば「かわいいけど気が強くてわがままな女の子」とか「拗ねていてワイルドぶっているけれど、実はいいとこのボンボン」といった設定のキャラを作るよう要望が出たとして、それをそのまま何のひねりもなく作りあげてしまったようなキャラクターばかり。画面に表示されたまま、見たままの薄っぺらい印象しか受けないため、これらのキャラクターがこの地で実際に生活しているという実感がほとんど湧きません。

またプレイ開始直後が特にそうなのですが、主人公キャラが無口で無愛想かつ素性の知れない存在のため、感情移入が図れずに前述した典型的性格のキャラクターたちと勝手に何かやっているという置いてけぼり感が強いのです。こういった無口で無愛想なキャラを操作させるのであれば、冒頭に「実は心を許せる唯一の友(あるいは家族や恋人)がいる」という違った一面を見せておくとか、過去の事件によって無愛想になってしまったという理由を見せておくとか(親を殺した仇を探しているという情報だけは、ごく一部提示されますが)、プレイヤーが主人公の性格に対して「保留状態」でいられるようなフォローが欲しかったところです。フォローが欠けているために、プレイヤーによってはプレイ開始から間もない時点で既に「この主人公は嫌なやつだ」というネガティヴな感想が確定的になってしまい、「そんな奴が何をしようと知ったこっちゃない」という投げた姿勢に繋がってしまうと思います。

戦闘・敵の属性など
捕獲は敵のモンスターの体力を減少させたのち、その敵の属性に合わせたマテリアルというアイテムを利用することで行います。また戦闘はパーティを組んだキャラそれぞれのモンスターが召喚されるので、「プレイヤー側3体のモンスター」対「敵側複数のモンスター」のパーティ戦になります。モンスターは光、闇、火、風、土、水、氷、雷の属性に分類され、属性に合わせた攻撃によって敵の攻撃順を遅らせたり、ダメージ量を増加させたりできます。各エリアでは登場する敵モンスターの属性がある程度限られているので、例えば火のモンスターばかり登場するところではプレイヤー側のモンスターを水系で揃えておくなど、事前の対策で戦いを優位に進めることが可能です。

属性に関する短所としては、その数がちょっと多すぎるように感じる点。火水風土の四属性ならまだしも、8つの属性が影響し合っていると直感でどの属性がどの属性に対して威力を発揮するかが分かりにくいですし、敵の属性それぞれに対処できるような布陣で臨むには、プレイヤー側も各属性のモンスターをそれなりに育てている必要があるわけですから。

グラフィックに関して
グラフィックは各街ごと、建物ごとに一枚絵が用意されていて、それぞれ綺麗に描きこまれています。ダンジョンなど移動可能な場所は、立体的な仕掛けが盛り込まれているわけではありませんが、3Dで描かれているので立体感はあります。

街の人物も各々バストアップ画像が用意されていて存在感はあるのですが、店の店員とそれ以外の一般人との間で画像を使いまわすのは少々残念なところ。実際に用意されているバストアップ画像の種類に関係なく、「使いまわしてるな」感が強まってしまって多彩さに欠ける印象を与えてしまいます。主要キャラのボイス量が多いのでしわ寄せがきたのかはわかりませんが、せめて店員は別グラフィックを用意するとか、もう少しメモリを割り振ってもらったほうが良かったように思います。

「モンスターキングダム」とモンスターを前面に出している作品にしては、肝心のモンスターのデザインはいまいちに感じてしまいます。かわいいのからグロいのまで種類は豊富なのですが、自分のモンスターとして召喚・育成してみようという動機付けになる魅力があまり出てません。全体的に土臭いといいますか、洗練されていない印象のモンスターが多く、それでも例えば『アークザラッド精霊の黄昏』のように独特な動きをしていれば個性も感じられるのですが、容易されているモーションも「こういうモンスターはこういう動きだろうな」という予測の域を出ていないものがほとんどです(主要キャラクターの性格に合わせて、ここでもプレイヤーの「予測の域を出ない」のが短所となっています)。

BGMに携わるスタッフは「夢の競演」級の豪華さ
BGMはゲームミュージックでは著名な面々が参加しているので、普段ゲームをプレイしている人ならどこかで「あ、これはあの人の曲だ」と気がつく曲がかかるのでは。プレイ前はどこが誰かはほとんど分からないだろうなと思っていたのですが、意外とわかるもんですね。(詳しくは公式サイト参照。BGMの試聴も可能)

その他ロード時間や操作性など
このゲームの長所として挙がることの多いロード時間の短さですが、確かに移動時や会話時の待ち時間は短めで軽快です。操作も各場面でLRボタンによる選択が可能になっているので、街やフィールドでの目的地選択もわざわざアナログスティックで指定する必要がなく容易です(これらは1枚絵で表示されるので、実際にキャラを動かすのではなく目的地を指定する方式が採られています)。

気になる点といえば、戦闘時のプレイヤー側モンスターの攻撃モーション表示中に、少しの間(0.5秒くらい)画面が止まってしまうことがあること(ただし毎モーションではなく、戦闘開始直後のモンスターのモーションのみ1回だけ)。音楽は鳴り続けているので流れが分断されるというほどではないのですが、 RPGの戦闘といえば相当回数行う作業なわけですから、この部分は改善できなかったものだろうかと残念に思います。

まとめ
グラフィックや音楽、またレスポンスや短い読み込み時間など脇を固める部分はしっかりと丁寧に作られている印象なのですが、残念ながら肝心の幹となるストーリーや世界観、登場キャラクターという部分の魅力に乏しいように思います。聞いたことのあるような世界設定で、聞いたことのあるような事件が起こり、どこかで見たことのあるようなキャラクターたちが翻弄されながらも事件解決に向けて冒険してゆくという、良く言えば「安心感」のある、悪く言えば「新鮮味に欠ける」「保守的」なタイトルでした。

ポケモンライクなゲームをPSPの美麗グラフィックと豪華BGMで遊びたい、というだけなら十分及第点なのですが、PSPでオリジナルのRPGとして登場した作品であるから、またオリジナルなものを作りたいと「ガイア」を立ち上げた岡田耕始氏が携わる作品であるからこそ、もっと新しい世界やシステムを前面に出したものであってほしかった、そういう思いが強く残ってしまいます。尖った作品を期待したところ、手堅くまとまったオーソドックスな作品だった、そんな期待とのズレが大きかった印象です。

PSPというハードに対する、ガイアにとっての習作的な意味合いを強く感じてしまう作品です。
レビュアーインフォ
プレイ時間: 30
難易度: 普通
クリアの有無: クリア済
運営ブログ・サイト: http://gnw2.net/


hatena-b
最終更新日 ( 2007/11/30 金曜日 19:23:51 JST )
 
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