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ロストマジック PDF プリント メール
2006/11/26 日曜日 14:03:53 JST
ペンタッチ操作+RPGと言うと端的に魔法文字を描いて魔法を放つシステムが想起されるのか、今週は似たようなシステムを持つタイトルがDSで二つ並んだ。そのうちの一本『ロストマジック』について3時間程度プレイした上でインプレ。
ペンタッチによる魔法文字入力は既に『TAO~魔物の塔と魔法の卵~』で採用されており、また『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』にも近いシステムがあった(あれはシチュエーション限定な上にアクションだが)。
DS発RPGの定番的要素となって行くのだろうか。
*概要・システム
いきなりだが、ちょっと前にこれと似たゲームを遊んだような…と思ったら『モンスターサマナー』だ。キャラの雰囲気といい基本システムといい、かなりよく似ている(『モンサマ』(ってヨン様みたいだなこの略)は陣取りでSLG的性格が強いが)。
お話はよくある父の背中を追う少年の冒険譚。世界名作劇場的なグラフィックとも相まって、子供向けという印象が強い。
基本進行はマップ上を移動してイベントのあるマスに着くとエンカウントして戦闘が始まる。戦闘はRTSの部類に入るのだろうか。セミオートで動くキャラ達にペンタッチで指示をして行く。
主人公は魔法使いなので直接相手に攻撃することは出来ない。魔法使いは知的な頭脳労働の職業。野蛮な敵との直接どつき合いは前衛に任せて、後衛から優雅に魔法を放つ。
しかし本作の主人公(=プレイヤー)のやることは多く、忙しい。まず仲間モンスターと自キャラの移動指示。仲間モンスターを敵に嗾けつつ、後衛から魔法を 連射。隙を見て回復も(一度に出来ないので逐一)行いつつ、仲間に出来そうな敵がいれば弱らせてひっ捕まえるために前に出る。フィールドによってはマナク リスタルの浄化や宝箱の回収も行う。戦闘には時間制限がある・しかもかなりシビアなので、優雅に魔法を放つという感じには中々いかない。

主人公の魔法は本作の売りであるペンによる魔法文字入力で行う。戦闘中任意のタイミングでLボタンを押し続け、現れた魔法陣に使用したい魔法文字(ルー ン)を描く。描き終えたらLボタンを放して発動したい方向(対象)を指定すると発動。魔法文字を描いてる間も時間は止まってくれない。上手く文字が描けな いと魔法に失敗してしまうが、ある程度ならば“弱い”魔法として発動してくれる。
魔法によって文字を描き分ける(しかもその文字がそれぞれそれらしい形をしている)・文字を組み合わせる(重ねて描く)ことによって強力な魔法に変化する などは素晴らしいと思うのだが、正直煩雑過ぎる気がする。いや魔法を使う流れ自体は良いのだが、如何せんリアルタイムのこの戦闘とあまり相性がよろしくな いような。せめて文字入力中は時間が止まるようにしてくれれば…魔法詠唱中の魔法使いは無防備なものだって言われれば納得するしかないのだが、仲間モンス ターの指揮という要素もある上に魔法を使うためのMPも有限である(時間で回復)という枷があるのだから、それぐらいの措置はあってもバチは当たらなかっ たんじゃないだろうか。

仲間モンスターは育成的な要素もあるが、名前が変えられたりする訳でもないし多分におまけ的なもの。編成出来るのも主人公の最大UP範囲内で、一モンス ター強制3ユニット編成なので自由度も低く、各モンスターに愛着も湧き難い(仲間と言うより魔法使いが使役する使い魔=ゴーレム的な扱いだから仕方ないの か)。
一応通信を使って育てたキャラでバトルを行うことも出来るが未体験なので割愛。ちなみにサードパーティ製ソフト初のWi-Fi対応である。任天堂の自社タ イトルについては通信による課金がないとされていたが、サードパーティについては個別による対応(課金もあり得る)とされていた。本作の課金が無しになっ たことで、この後に出るであろうサードパーティー製Wi-Fi対応タイトルにも課金無しの流れが出来ると良いのだが。

*グラフィック・音楽
世界名作劇場的なのもそのはず、アートディレクターは同シリーズの制作に長年携わっていた佐藤好春氏が担当されている。
氏は「トトロ」や「おもひでぽろぽろ」等のジブリ作品の作監も担当(タイトー作品では『ラクガキ王国』シリーズのアートディレクターも担当)。あれ系の絵柄が好きな方にはそれだけで購買動機になるのではないだろうか。個人的には近藤勝也氏(「ラピュタ」や「トトロ」の原画師)が原画を担当された『玉繭物語』ほどはジブリ感を感じなかった。どちらかと言えば世界名作劇場的なタッチの方が色濃い。
ただ実際の戦闘画面の方はちびキャラ&ごちゃバトルなので、氏の絵の魅力を感じられる部分はない。あくまでイベントシーン限定。音楽も特別印象に残るようなものは(今のところ)なかった。

*操作性・遊び易さ
あからさまな処理落ちがあるのは×。シビアな制限時間なのに処理落ちするって何なんだろう(処理落ち中でも当然時間は止まらない)。
仲間モンスターに細かく指示を出せないのがもどかしい。出来るのは移動先の指定だけ(移動先に敵がいれば戦う)。別に賢くないなら賢くないで素直に従って くれれば良いのだが、体力が少なくなったキャラを敵から離そうとしても半端なセミオートが働いてわざわざ振り返って敵に突貫して行くありさま。所詮は使い 捨ての使い魔なのか。キャラの表示が重なった時にポイントし辛いのも気になる。
あとミスってリトライする機会が多いのに、イベントスキップが出来ないのも辛い。ランダムエンカウントも強制じゃなく、選択式(もしくは敵シンボルをマップ上に表示する)の方が良かった。
その他の基本的な操作性は問題ないレベル。魔法文字入力の認識も納得出来る範囲内。しかし処理落ちは致命的のような…

*雑感まとめ
作品を覆う子供向けな雰囲気と、テクニカルなシステムが乖離してるように思える。タッチペンによる魔法入力が売りであるはずなのに、制限時間&半 端なRTS要素のお陰で満足に楽しむことが出来ない…と第一雑感からして否定的なことばかり書いてしまいたくなるが、勿論楽しいと思える要素もある。が、 どうにもちょっとしたボタンの掛け違えと言うか、ここがこうなってればと思える部分が多い。
例えば仲間モンスターへの指示は基本行動だけでも設定出来るようになっていると良かった。目的地を優先するか、敵への攻撃を優先するか、体力が少なくなっ たら回避行動をとるか。タッチペンによる直接ポイントがRTS向きとは言え、味方キャラがお間抜けなんじゃあ安心して指示出来ないし、またその指示出来な い分を全部ペンタッチで補えと言われても無茶(フィールド全部を一度に見渡せる訳でもなし)。リアル超執刀の男でも無茶である。
仲間モンスターがある程度自立した動きをしてくれれば、魔法ももっと落ち着いて使える。制限時間も別にあって良いしリアルタイムの緊迫感を出そうというの も解るのだが、今のままじゃあんまりにもガチガチ(それこそ『モンサマ』のように仲間モンスターが倒れてもまた召喚出来るってんなら別だが)。

子供向け(の外観)だから煩雑になり過ぎてはいけないという点を半端に意識した結果、半端になってしまったという印象。どうにも惜しい。
使える魔法やモンスターがもっと強力になれば、多少は印象が変わるだろうか…

ロストマジック
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